【西洋占星術の基本】④「10天体」の意味を、分かりやすく解説

もくじ

この記事で分かること

  • 公転周期の違いにより、天体の役割を知る
  • 10天体の「意味」と「役割」
  • 「開運」の近道は、天体を偏らずに使うこと
はじめちゃん

12星座占いは、太陽星座だけですけど、
西洋占星術では10個の天体を使うんですよね。

千草さん

はい、そうです!
10天体それぞれの役割が理解できると、太陽星座占いと西洋占星術が別物だということが、よく分かります。

現代占星術における、各天体の役割

西洋占星術の大きな特徴の一つは、占術に実際の天体を用いることです。古典占星術では、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の7個の天体が使われてきました。

土星の外側の天体である、天王星、海王星、冥王星が発見されたことにより、現代の占星術では、10個の天体を使用します。

天体の役割は、公転周期により推測できる

天体が担う役割は、公転周期によって推測することができます。

公転周期が短いと、個人の性質や、日常のこまごまとしたものに影響を与えます。一方で、公転周期が長いと、世代や時代の特徴になります。

10天体を、個人天体、社会天体、世代天体の3つに分けることができますが、これは公転周期の長短によるグループ分けです。

【個人天体】月、太陽、水星、金星、火星

「個人天体」は、日常生活、個人の性格や資質に関係します。
👉自分が意識できる部分

ホロスコープから、
「この人はどんな人だろう?」
と推測するときは、個人天体をみます。

【社会天体】木星、土星

中学高校時代に、
「学年によってカラーが違うよね。」
なんて思ったことありませんでしたか?

社会天体は、1年〜2年半の間に生まれた人たちの、共通した特色、特徴です。

【世代天体】天王星、海王星、冥王星

公転周期が最長である冥王星は、一つのサインに12年〜32年ほど滞在します。

世代天体とは、世代にまたがって共通にある特色、特徴です。

「今日は中華を食べようか?」には、冥王星は感知しない

松村潔先生の著書に「公転周期と天体の役割」について、とても分かりやすく書かれている一節があります。

…月は28日で公転し終えて、出発点に戻ってきます。このような短い範囲の影響力が、人の一生を決める深い意味を持っているとはだれも考えないはずです。
しかし、日常生活の中で身近な、月間目標の達成には深く関わります。つまり、月は日常的な生活の中での細かい出来事に関係します。

また、冥王星は公転し終えるのに、250年くらいかかります。今日の昼ご飯は中華にするか、それとも和食にするかという日常的な問題に、冥王星はあまり関与しないはずだということも納得できるでしょう。

人の一生をかけても、冥王星の一公転周期を体験し終えることはできません。ここから冥王星の示すテーマは、個人的な目標を超えた、ある種の集団意識としてのテーマであることがわかるはずです。

完全マスター 西洋占星術 松村潔著書

10天体の意味と特徴

10天体の特徴を見ていきましょう。各天体の記号も、見慣れてください。

【月】好き!嫌い!など感情の基礎

月の記号

公転周期:約28日(1ヶ月弱)
発達年齢域:0歳〜7歳
象徴的意味:気質、感情、無意識、癖、習慣、人気
人物:幼児、母親、妻、女性

疲れている時は、自分の「月」に戻り充電を

わたしたちは、乳幼児(0歳〜7歳)のうちに、周囲の人や環境を通して人格の基礎を形成します。乳幼児期は、個人の意識が育つ前の時期です。物心がついた時は、周囲の環境から吸収した行動や感情の癖が出来上がります。これは自分自身では自覚することができません。

月は「無意識」「無自覚」です。特に相性では、月のサインの関係性は非常に重要です。月は、リラックスしている時の自分です。

疲れている時、自分を見失っている時は、「月」に立ち返るとよいです。
👉月のサイン、月があるハウス、月のアスペクトにヒントがあります

【水星】知性の発達

水星の記号

公転周期:約90日(3ヶ月弱)
発達年齢域:8歳〜15歳
象徴的意味:知性、思考方向、コミュニケーション能力、会話、事務処理能力、移動
人物:兄弟姉妹

水星は仕事力

月と太陽は人格を形づくり、水星はそれらを外部に伝達します。

人が、どのように会話をするのか、機転や融通をきかすのか、どんなアイディアを出すのか。水星の知性の方向性を見ると、仕事力が分かります。

【金星】自分にとっての楽しみ

金星の記号

公転周期:225日(7.5ヶ月)
発達年齢域:16歳〜25歳
象徴的意味:個人的好み、感性、愛情表現、金銭、所有物、音楽、芸術
人物:若い女性、恋人(男性にとって)、援助者、愛人、芸術家

金星の活用は、リア充に繋がる

金星の象徴は「楽しみ」です。金星の発達年齢は、高校生から社会人の入口です。この時期の体験を通して、その人の楽しみ方や感受性のスタイルができあがります。

例えると、
「学生時代に好きだったものは、ずっと好き」

好きなこと!

【太陽】人生の目標

太陽の記号

公転周期:365日(1年)
発達年齢域:26歳〜35歳
象徴的意味:基本的性格、自我、主観、目的意識、生命
人物:父親、夫、男性

太陽は最重要

太陽は、こうありたい自分です。 自分らしさは、太陽のサインにあります。太陽のサインらしく生きていないと、自分自身から遠ざかります。

【火星】積極性の発揮

火星の記号

公転周期:2年
発達年齢域:36歳〜45歳
象徴的意味:行動力、攻撃力、チャレンジ精神、怒り、興奮、争い
人物:若い男性、恋人(女性にとって)、ライバル

社会活動の武器になる天体

火星は、トラブルや事件の引き金になることもありますが、困難を乗り越えていく時は、大きな味方になります。火星の力が弱いと、自己主張ができないため、周囲からの圧力に負けたり、いじめのターゲットになることもあります。

ホロスコープ上では、火星は、こだわりを持って取り組む場所や、熱心に追及する分野が分かります。

【木星】拡大と発展

木星の記号

公転周期:12年
発達年齢域:46歳〜55歳
象徴的意味:援助、幸運、成長、寛大、贅沢、善意
人物:学者、法律家、哲学者、社会的成功者、外国人

木星のある場所は、どこでもラッキー!

ホロスコープで木星のある場所は、容易に能力を伸ばすことができます。人生を発展させるためには、木星の力を活かすことが不可欠です。

一方で、木星に甘えていると、楽観しすぎて失敗をする、贅沢しすぎてお金を失う、といったことが起こります。

【土星】乗り越えるべき試練

土星の記号

公転周期:29年
発達年齢域:56歳〜70歳
象徴的意味:責任、制限、試練、忍耐、現実性、苦手、束縛、抑圧、伝統 、安定性
人物:年長者、実務家

土星で「苦手」と「コンプレックス」が分かる

土星の働きにより、自分のエゴと、社会の要求とバランスをとることが可能になり、生き方を安定させることができます。

ホロスコープで土星のある場所は、苦手分野であったり、コンプレックスを持っていることが多いので、努力を強いられます。「苦手」と「コンプレックス」を克服することができると、真の実力を得ます。

【天王星】改革と刷新

天王星の記号

公転周期:84年
発達年齢域:71歳〜84歳
象徴的意味:改革、独創性、独自性、エキセントリック、反抗心、個人主義、電気、インターネット
人物:友人、知人、発明家、科学者

天王星は、オリジナリティや個性を強く打ち出す

天王星は、今までのやり方や古い体制を打ち破り、新たな可能性を作り出します。天王星は、今あるものを生かす変化です。家に例えると、増築や、リフォームです。

同じ変化であっても、冥王星は、すべて壊して真っさらな状態にしてから、一からの作り直しです。 家に例えると、更地にしてから、前とは全く違うものをつくります。

個人のホロスコープで天王星の影響が強いと、個性が強く、独立心が強くなるので、フリーランスや、自ら事業を立ち上げる人が多いです。(企業では、自由度が高いポジションに適性があります)

idea!

【海王星】夢や直感

海王星の記号

公転周期:165年
発達年齢域:85歳〜 死に至るまで
象徴的意味:直感、幻想、妄想、現実逃避、慈善、奉仕、芸術、麻薬、薬物中毒、石油
人物:隠居者、社会的弱者

海王星は使いにくい

海王星は、公転周期がおよそ165年です。個人に与える影響よりも、世代に大きな特徴を与えます。

「それぞれの世代が何を理想とするのか?」
海王星のサインに表れます。

海王星の働きは、夢の意識に近いので、神秘的な能力を示します。
個人のホロスコープで海王星の影響が強い人は、自分と他人との境界線が曖昧です。究極のお人よしさんは、海王星の力が強く働いている可能性大です。

海王星は、「現実世界では使えない」といわれることがあります。一方で、先を読む才能、将来・未来へのビジョンをもたらすので、広い視野を得ることもあります。

【冥王星】0か100

冥王星の記号

公転周期:249年
発達年齢域:死の瞬間
象徴的意味:死と再生、破壊、究極、極端さ、異常性、深刻さ、強制力、深層心理
人物:権力者、黒幕、先祖

冥王星の力は、いっさいお構いなしに働く

ホロスコープで冥王星がある場所は、振れ幅が大きくなります。人生がひっくり返るような極端の体験をする人もいます。

冥王星は、通常は電源がOFFですが、何かのきっかけでONになると、人生が根底から覆るほどの体験をします。
こちらの都合など、いっさいお構いなしに強制終了です。死と再生なので、思いがけない新たな道に進む可能性を秘めます。

偏りなく天体を使うことが「開運」への近道

日常生活において、ある天体が示す事柄にストレスを感じている場合、無意識にその天体を避け、使い慣れた天体を用いようとします。その方が楽だからです。

天体には、発達年齢域があります。
ある一定の年齢にならないと経験や理解ができないことが多くあります。各発達年齢域で、相応しい体験をすることによって、自分のホロスコープを正しく理解し、人生を前進させ、発展させることができます。

千草さん

次回は、ハウスについてお話します。
天体を役者に例えると、ハウスはその役者が活躍する舞台です。

ハウスは、出生時間が必要になります。西洋占星術が出生時間が必須と言われる所以(ゆえん)です。

千草さん:占星術師として占い相談や占星術レッスンを13年に渡り行なっている
はじめちゃん:西洋占星術の勉強を始めたばかり

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